アイスランドは一般的に治安がいい国として有名ですが、治安がいい、悪いということを直接的に図る
指標というのはありません。では、なぜ治安がいいと言われているのか。
それは、世界平和度指数ランキングで2011年以降で6年連続で一位を取っているからではないでしょうか。

6年連続で世界1位を取っているということはさぞかし安全な国なのだろうと思われた方も
多いかと思いますが、実はここでいう「平和な国」と「安全な国」とは厳密には別物となります。

世界平和度指数とは、イギリスのエコノミスト紙が24の項目について、144カ国を対象に、分析し、
各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化したものです。
それぞれの項目を1~5段階で評価しており、アイスランドは1.192で1位、日本は1.395で9位となっています。
なお、24項目にはスリや窃盗、殺人等の単純な犯罪件数だけでなく、近隣国との関係や軍事力、政治安定度やテロ発生率、銃火器の入手しやすさ等も考慮されており、それらを踏まえて作成されたのが世界平和度指数ランキングとなります。
そういった意味で、「安全」という観点だけで見ると結果は変わってきます。

◆2016年度世界平和度指数ランキング
1位:アイスランド(1.192)
2位:デンマーク(1.246)
3位:オーストリア(1.278)
4位:ニュージーランド(1.287)
5位:ポルトガル(1.356)
6位:チェコ(1.360)
7位:スイス(1.370)
8位:カナダ(1.388)
9位:日本(1.395)
10位:スロベニア(1.408)

■24の指数項目

  1. 対外戦、内戦の数
  2. 対外戦による推定死者数
  3. 内戦による推定死者数
  4. 本格的な内戦の程度
  5. 近隣国との関係
  6. 他の市民に対する不信感の程度
  7. 人口に対する難民・追放者の割合
  8. 政治的不安定さ
  9. 人権尊重のレベル(政治テロの程度)
  10. テロ活動の潜在的可能性
  11. 殺人事件の数
  12. 暴力犯罪の程度
  13. 暴動の可能性
  14. 犯罪収容者の数
  15. 警察、治安維持部隊の数
  16. GDPに対する軍事費の比率
  17. 軍人の数
  18. 普通一般兵器の輸入量
  19. 普通一般兵器の輸出量
  20. 国連の介入度
  21. 国連以外の介入度
  22. 重兵器の数
  23. 小型武器、携帯兵器の入手しやすさ
  24. 軍事力、精錬度

一般的に、旅行をするときの治安の良しあしというと、(テロ発生なども考慮するとは思いますが)犯罪件数の多寡で考えることが多いと思いますが、アイスランドの犯罪件数はどの程度なのでしょうか。

犯罪の内容 2013年 2014年 2015年
窃盗 4,102 3,670 4,032
空き巣 1,092 1,143 1,273
強盗 49 51 53
強姦 180 129 178
暴行 1,188 1,237 1,587
うち殺人
麻薬違反 2,183 2,375 1,911
合計 8,794 8,605 9,034

殺人や強姦などの件数は少ない反面、窃盗の件数が突出して多くなっています。これらには、近年急増する旅行者を狙ったすりや置き引き被害が増えているということも背景にはあるようです。
また、麻薬違反と暴行の件数も多くなっていますが、これらはとりわけレイキャビーク市街に集中しており、週末の夜間から未明にかけて、酔っ払い,麻薬の常習者や売人による暴行事件や引ったくりも発生しているということです。

ちなみに、2015年の犯罪合計件数が9034件。アイスランドの人口を33万人とすると、発生率は約2%となりますが、この数値は高いのでしょうか、低いのでしょうか。

比較対象として、日本の犯罪状況と比較してみましょう。
犯罪の定義やデータの収集等が異なるため、単純比較はできませんが、警察庁が公表している犯罪統計によると、犯罪件数は1,023,028件、人口に占める犯罪率は0.81%となっています。

つまり、低位ではあるものの、日本よりは高くなっており、最低限の安全対策は必要となってくるといえるでしょう。とりわけ、旅行に当たっては以下のような点は行わないように注意しましょう。

  • 短時間であっても,荷物を置いたままにして,その場を離れない。
  • レストラン等では,貴重品の入ったハンドバッグやカバンを,テーブルやいすに置いたまま席を離れない。また,椅子の下等,視界に入らない位置に置かない。
  • 深夜に外出や帰宅せざるをえない場合は,交通量の多い明るい道路を選び,暗がりの一人歩きは避ける。

また、レンタカーでの旅行を検討している方は、以下のような点も注意しましょう。

  • 人目につかない暗い場所に駐車しない。また,人目につきやすい場所でも,深夜の長時間にわたる路上駐車はしない。
  • 短時間の駐車でも,忘れずにドアロックをする。

まとめ

  • アイスランドは世界平和度指数で1位をとっているが、犯罪発生率でみると日本よりは高く、安全対策は必要。
  • 犯罪の内訳としては、殺人事件等の凶悪事件はほとんど起こっていないが、旅行者を狙った窃盗事件などが増えているため、手荷物などには注意が必要。

せっかくのアイスランド旅行を台無しにしないためにも、最低限の安全対策はとるようにしておきましょう。