電力自給率100%を誇るアイスランド。そのエネルギー源は氷河や湖がたたえる豊富な水量による水力と火山由来の地熱です。

かつては石油や石炭などの化石燃料を多く用いていましたが、オイルショック以降、持続可能な水力と地熱にシフトしました。また、アイスランドの象徴ともいえる国土の11%を覆う氷河が年々減少しているという危機感から、温暖化に対する意識も高いです。両エネルギーの使用により、国民一人当たり年間で26トンもの石炭の節約につながっているとの統計もあります。

現在、地熱で温められた温水は、専用に設けられたパイプラインを通じて85%ほどの過程に供給されているほか、野菜の栽培や温水プールなどにも活用されています。地熱と水力は、環境への負荷も少なく暖房費も抑えられるとあり、アイスランドの人々の暮らしを支える大切なエネルギー源となっています。

水素開発で世界のエネルギー開発をけん引できるか!?

地熱や水力は貯蓄ができないというデメリットがある。そのため、輸送や交通、慮行などで使用される二次エネルギーには、今も化石燃料が使用されているのが現状です。そこで、近年注目を集めているのが水素です。1998年には、政府が水素エネルギーを活用を発表しました。その趣旨としては、水素を得るための電気分解も再生可能エネルギ^で行うことで、化石燃料依存からの脱却を狙っているといわれています。

構想では、「2050年までに化石燃料の使用をゼロにする」予定で、輸入に頼っている化石燃料を水素に置き換えることで、すべてのエネルギーの自給率を100%にしようと取り組んでいます。

現在は水素燃料で走るバスがレイキャビーク市内で運用されていますが、まだまだ試験的な段階です。段階的に一般家庭の自動車や漁船へと広めていく計画となっています。しかしながら、水素燃料開発には多額のコストがかかり、アイスランドの資金力では負担が大きいです。そこで、国内のみならず、海外からの投資や協力を募っています。関心のある企業や国にとってメリットは、インフラなどの設備投資を行うことなく技術開発に携わることができる点です。1999年には、国立アイスランド大学の研究部門を法人化し、国の出資と複数の企業の協力により研究が進められています。

水素社会が実現すれば、永続的にエネルギー供給を賄うことができます。官と民が協力し合い、世界的な注目を集めるアイスランドの水素立国構想。まだまだ実験段階ではありますが、実現するのは遠い未来ではないでしょう。